ロックサウンドで幕をあける新しいミスチルのカタチ
『重力と呼吸』/Mr.Children(2018年)
前作『REFLECTION』3年4ヶ月ぶりにオリジナルアルバムをリリースしたMr.Children
タイトルは『重力と呼吸』
彼らがつけるタイトルとしてはめずらしいなっていうのが第一印象
これもで彼らのアルバムタイトルが日本語なのは『深海』と『シフクノオト』のみ
これらの作品を並べてみると、そのどれもがMr.Childrenにとっての転換期となる作品になっている
そして日本語タイトルである本作もMr.Childrenにとっての転換期となる作品になっている
内容については今までのミスチルファンの間では賛否分かれる作品だ
Mr.Children「himawari」from TOUR 2017 Thanksgiving 25
Mr.Children 「here comes my love」Music Short Film
恐らく否定的な声について本作で彼らが鳴らす音の「物足りなさ」にあるのではないだろうか
ボーカルよりも音が前面にくるような1枚
サウンドはシンプルになり、意図的にバンドサウンドを強調している
その「シンプルさ」が「物足りなさ」に感じる人が多いのであろう
加えて、前作『REFLECTION』は23曲(drip盤は14曲)という今までにないボリューム
それでいて王道のポップソング揃いで評価の高い1枚だったが、今回のアルバムはそれに対して10曲といつもより少なめ
これがさらに「物足りなさ」を感じる原因になっているのではないだろうか
そもそもポップソングの王道、ど真ん中をいく彼らだからこそ
このようなシンプルなサウンド・アルバムがなかなかうけいれられないかもしれない
本作発売にあたり、桜井和寿はこのようなコメントをしている
桜井和寿(Vo, G)は若いアーティストたちから「Mr.Childrenを聴いて音楽をはじめました」という言葉を聞くようになったと明かし「後輩ミュージシャンがこのアルバムを聴いたら、音楽をやめたくなるような、また、もう僕らを目標にするなんて思わないくらい圧倒的な音にしたいと、熱い気持ちでアルバム制作に向かいました」と、新作制作にあたっての心境を告白。完成したアルバムについて「その通りの音になっていると思います」と語っている。
出典:ナタリー
コメントから作品に対する想いの強さがわかる
それもそのはず本作からプロデューサー・小林武史の名前が消えており、彼らにとって初の完全セルフプロデュースになっているのも注目してもらいたい
本作『重力と呼吸』は今の彼らが鳴らす「ロック・アルバム」である
平成の時代を駆け抜けた彼らがこの平成に終わりにこのアルバムを出すのは偶然ではないはず
彼らにとっては新しい時代の幕開けを宣言するアルバムである